精神科訪問看護の支援内容は?

訪問時は、不調や内服薬による体調の変化がないか確認するために、バイタルサイン測定を行うこともあります。現状を数値化できるため、利用者様が体調の変化に気づくきっかけにもなります。

精神科の処方薬は精神状況に直結します。利用者様の中には内服管理が苦手な方もおり、利用者様と相談しながら内服管理を行っていきます。訪問時には毎日内服ができているか確認する場合もあります。

精神状態の変化はコミュニケーションに現れることもあります。たわいない日常会話でも「いつもと違う」「なぜかイライラしている」といった些細な変化に気づくきっかけになります。訪問看護師は、コミュニケーションも看護の一環として取り組んでいます。

利用者様とのコミュニケーションはもちろん、ご家族との会話やご自宅の状況なども精神状態の把握には必要不可欠です。訪問看護師はご自宅のすべての状況から、利用者様の精神状態の観察をおこなっています。

ご家族への支援は、精神科訪問看護においてとても重要な看護の1つです。利用者様を一番理解しているご家族とお話をすることで、今後のサポートの方向性が明確になることもあります。

利用者様をサポートするためには、訪問看護師だけでなく、主治医や保健師、セラピストとの連携が必要です。日々利用者様を観察している看護師は、チーム医療の中心となり、報告・連絡・各種調整を行っていく役割があります。

精神科訪問看護で、頼めないことはあるのでしょうか?

医師からの指示がない支援については、勝手に判断して進めることができません。ただ、ご本人の状態を見て「この支援が必要だ」と判断した場合は、こちらから医師に指示書の作成を依頼することもできます。何か困っていることがあれば、「決まったことしかやってもらえないんでしょ」と諦めずに、ぜひご相談ください。

また、診察するのはあくまで医師なので、精神科訪問看護の中で薬を処方することはできません。医師からの指示があれば、まれに注射薬を用いることはあります。

ご本人の状態を見て、掃除や片づけの支援が必要だと判断すればサポートしますが、あくまで精神科訪問看護の中でできる支援を行います。「外出している間に部屋を掃除しておいて」「出かけている間ペットの世話を頼みたい」などのご要望もお受けできません。また、ご本人が不在の場合は、ご家族が在宅でもご利用はできません。